被災地で活動の伊丹のNPO “ペット同伴の避難所の整備を”

能登半島地震の被災地で、救助犬による捜索活動や、ペットを連れた被災者の支援などにあたっている伊丹市のNPO法人がNHKの取材に応じ、災害関連死を防ぐためにもペットとともに身を寄せられる避難所の整備などを急ぐ必要があると訴えました。

災害現場で救助活動にあたる「災害救助犬」の育成などを行う伊丹市のNPO法人「日本レスキュー協会」は、能登半島地震の発生直後からメンバーが石川県内に入り、行方不明者の捜索やペットのための支援活動などを続けています。
メンバー2人が伊丹市に戻り、6日、NHKの取材に応じました。
このうち、高木美佑希さんは地震発生直後、災害救助犬とともに出発し、道路状況が悪い中、車でおよそ20時間かけて珠洲市内に到着し、行方不明者の捜索にあたりました。
当時の状況について、「地震がかなり続く中、現場は緊迫した状況で、捜索を中断して犬とともに走って退避する場面もあった」と振り返りました。
その上で、「今後どこで災害が起きても迅速に捜索にあたれるよう、救助犬の育成と派遣に向けて備えていきたい」と話していました。
一方、ペットのための支援物資を届ける活動などにあたった松崎直人さんによりますと、ペットとともに避難所に行くことができないため、被害を受けた自宅にとどまったり車中泊を続けたりする人もいて、体調の悪化が懸念されるということです。
このため珠洲市などと連携し、先月下旬、ペットとともに生活できる専用の避難所を開設し、ほかの地域にも増やせるよう活動しているということです。
松崎さんは、「車中泊や危険な自宅で暮らしている人の災害関連死を防ぐためにも、ペットと一緒に安心して避難できる場所づくりに取り組んでいきたい」と話していました。
NPO法人は今後、人の気持ちを癒やす訓練を受けた「セラピードッグ」を派遣することも計画しているということで、松崎さんは「中長期的に活動していくことが必要だと思う。いろんな声を聞きながら、解決できることを一つ一つやっていきたい」と話していました。