神戸 企業のトップらが集まり新年祝賀会

神戸商工会議所などが主催する新年の祝賀会が神戸市で開かれ、企業のトップなどが集まって年始のあいさつを交わしました。

神戸商工会議所などが主催する新年恒例の祝賀会は例年、1月4日に行われていましたが、近年は働き方改革などの影響で仕事始めを5日にする企業も増えていることから、ことしは初めて、5日に行われました。
会場となった神戸市のホテルには市内に拠点を置く企業の経営者などおよそ1000人が出席し、兵庫県の斎藤知事や神戸市の久元市長らが酒だるのふたを勢いよく木づちで割る「鏡開き」を行いました。
また、久元市長は、今月1日に発生した能登半島地震に触れ、「被害の様相が阪神・淡路大震災と似ていると感じる。多くの支援を受けてまちをよみがえらせた神戸市として、知識、経験、ノウハウを最大限に活用し、被災地への支援を全力で行いたい」と述べました。
このあと、神戸商工会議所の川崎博也会頭は、「来年の万博以降、将来にわたって多くの人が集う魅力的な街になるため、ことし1年の頑張りが大変重要だ。躍動する兵庫、見違えるような神戸を目指して頑張りましょう」とあいさつしました。
そして、川崎会頭の音頭に合わせて参加者たちが乾杯し、新年のあいさつを交わしていました。

【ことしの展望は 経営者たちに聞く】
ことしはどのような年になりそうか、神戸商工会議所などが主催する新年恒例のつどいに参加した企業の経営者たちに聞きました。
今月1日に就任した「アシックス」の富永満之 社長は今月1日に発生した能登半島地震について、「阪神・淡路大震災の際には、神戸の企業として相当サポートもいただいた。そういう意味でもできるだけ支援したいし、元気を届けられるような企業になっていきたい」と話しました。
一方、経営については、「海外での売上比率が80%となっているが、戦争が続いている地域もあるしアメリカの大統領選挙も控えているので、1つの地域に集中しすぎず、バランスの取れたビジネスをしていきたい」と話していました。
そのうえで、「去年は阪神タイガースやヴィッセル神戸の活躍でまちが非常に盛り上がり、神戸の企業としてうれしい一年だった。ことしは神戸でパラ陸上の世界選手権が開かれるので、サポートしつつ、一緒に盛り上がっていけたら」と話していました。
また、大手機械メーカー「川崎重工業」の細川勝伸 総務本部長は能登半島地震について、「亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに被災したみなさまにお見舞いを申し上げたい。被災した地域には、我々が手がけた製品やプラントも数多くあるので、状況を把握しながら、運転継続に必要な支援をすぐに行っていきたい」と話していました。
ことしについては、「脱炭素を進めていくため、いろいろなパートナーと手を取り合いながら、水素に関するサプライチェーンを構築し、取り組みを加速させていく一年としたい」と話していました。
洋菓子メーカー「モロゾフ」の山口信二 社長は「関西はインバウンドが活発で来年には万博も控えていて、継続的に多くの人がまちに出る状況であり、小売りも手がける企業にとって非常にいい環境だ」と話しました。
一方、「労働人口自体が減っているのでしかたない部分はあるが、百貨店などの販売員の募集をかけても思うように集まらないのが大きな課題だ。賃上げや、より効率的な店舗運営などをやっていかないと、生き残れないのではないか」と語りました。