神戸「北野工房のまち」が閉館 廃校を活用した観光施設

廃校になった小学校を活用した神戸市の観光施設「北野工房のまち」が運営会社の変更に伴って閉館されることになり、28日、25年の歴史に幕を下ろしました。

「北野工房のまち」は、児童数の減少や阪神・淡路大震災の被害の影響で廃校になった神戸市立北野小学校の校舎を活用して1998年にオープンした観光施設です。
施設内では神戸市ならではの洋菓子や土産物を販売する店や、アクセサリーなどの手作り体験ができる工房など20ほどの店舗があり、コロナ禍前には年間100万人が訪れるなどにぎわいましたが、運営会社の変更に伴って閉館されることになりました。
最後の日となった28日は地元の人や観光客が訪れ、校舎として使われていた当時の雰囲気を感じられる施設内の様子を写真におさめるなどして思い思いの時間を過ごしていました。
60年ほど前に当時の北野小学校に音楽の教師として勤めていたという80代の女性は「閉館されると聞いて来ました。古くなっても味がある建物で当時のことを思い出し、とても懐かしいです。今後も建物を残してもらえたらうれしいです」と話していました。
「北野工房のまち」の宇都宮剛館長は「古い建物ということもあり、大切に維持しながら、地域の子どもたち含めて、多くの人に楽しんでもらいました。25年間、本当にありがとうございました」と話していました。

【新たな運営会社が活用のしかたを検討】
旧北野小学校の跡地をめぐっては神戸市が掲げた「上質な神戸のライフスタイルを発信する拠点として、来街者や地域住民に親しまれにぎわう施設」というコンセプトに沿って選ばれた新しい運営会社がレストランなどが入った施設にすることを提案しましたが、地元の人などから「建物の一部や小学校の資料などを残してほしい」といった要望が寄せられたということです。
これを受けて新たな運営会社は資料の展示のしかたや建物の面影を残す形での活用のしかたを含めて、図面を再検討しているということで、基本設計が決まれば住民への説明会を経て、来年の秋ごろにリニューアルオープンする予定だとしています。