王子動物園のパンダ「タンタン」 中国への返還さらに1年延長

神戸市の王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」は、心臓病のため長時間の移動が難しいとして、今月(12月)末までとなっていた中国への返還期限が、1年間延長されることになりました。

王子動物園の人気者「タンタン」は、阪神・淡路大震災で傷ついた子どもたちを勇気づけようと、平成12年に中国からやってきたメスのジャイアントパンダで、現在は28歳、人間では80歳くらいに相当するということです。
タンタンは、おととし(令和3年)心臓病が見つかり、現在は一般公開を取りやめて治療が続けられていますが、ことし10月以降は食欲や運動量が低下し、体内に水分がたまりやすくなるなど、身体機能が下がっていることから日中双方の専門家が「長時間の移動に耐えられない」という意見で一致し、返還期限が来年(令和6年)の末まで、延長されることが決まりました。
タンタンは、もともと3年前(令和2年)の7月に返還される予定でしたが、新型コロナの影響で直行便が運航されていなかったことから返還期限が延長され、その後、心臓病が見つかったことから返還期限の延長が続いていて、今回で5回目です。
王子動物園の加古裕二郎 園長は「タンタンのストレスを軽減することが最も大切なので、今後も“タンタンファースト”で治療を続け、病気の進行をできるだけ和らげたい」と話していました。