外来水草 ナガエツルノゲイトウ繁殖 駆除に向け調査と啓発へ

兵庫県内各地の農業用水路などで「ナガエツルノゲイトウ」という外来の水草が繁殖し、農業だけでなく、防災面でも深刻な被害につながるおそれがあることから、県は駆除のための調査と啓発に取り組むことになりました。

ナガエツルノゲイトウは、国が特定外来生物に指定している南米原産のヒユ科の水草で、関西では、びわ湖で繁殖し兵庫県内でも2018年に東播磨地域で見つかり、これまでに12の市と町のため池や農業用水路で確認されています。
繁殖力が強く、みなもや陸地で爆発的に広がり、田畑で広がると作物を覆って生育不良にするなど農業被害が懸念されるほか、水路を詰まらせて洪水につながるおそれがあるなど防災面でも影響が懸念されています。
こうしたことから、兵庫県は専門家の意見を聞いて分布状況を調査するとともに駆除の方法を探ることになりました。
また、ナガエツルノゲイトウは、刈り取っても数ミリの茎の断片から芽が出て繁殖するため、県民が悪意なく茎の一部を移動させ、広範囲に広がる可能性もあり、啓発活動にも取り組むということです。
兵庫県自然鳥獣共生課は「刈り取っても少しの破片から繁殖するので、駆除の方法を探り、人が運んで繁殖することもある植物だということを多くの人に知ってもらいたい」と話しています。