視覚障害者も歩きやすい街に スマホアプリで道案内の実証実験

来年(2024年)神戸市で開かれるパラ陸上の世界選手権を前に、視覚に障害のある人などが市内をスムーズに移動できるよう、道案内の音声が流れるアプリの実証実験が行われています。

このアプリは、視覚障害者などの移動を支援しようと開発されたもので、駅などに設置された専用のコードをスマートフォンのカメラで読み取ると、現在地の情報や目的地までの行き方などが案内されます。
11月15日に行われた実証実験には、視覚障害のある人や車椅子を利用する人、それに外国人留学生などおよそ10人が参加し、JR三ノ宮駅と神戸空港の間を移動しました。
視覚障害のある人たちが、空港でコードを読み込み音声案内に従って進むと、点字ブロックなどに記されたコードが次々と読み込まれ、三ノ宮駅のホームに到着しました。
案内は36の言語に自動翻訳され、外国人観光客なども利用することができ、専用のコードは、現在、市内にあわせて236か所設置されているということです。
視覚障害のある20代の男性は「アプリを通して、いろいろな情報が提供されるのは安心だなと感じました。コードの数がもっと増えて、視覚障害者が1人でも歩ける環境になればいいなと思います」と話していました。
また、中国人留学生の20代の男性は「乗り換えが難しい場所もありますが、アプリで行きたいところがスイスイわかって非常に使いやすかったです。ただ、コードを読み取るためにスマホを人に向けざるをえない時もあって、嫌な思いをする人もいると思いました」と話していました。
アプリの導入を進めているNPO法人アイ・コラボレーション神戸の北山とも子理事は「まだコードの数は少ないですが、駅だけでなく街なかにも設置を増やし、様々な障害を持つ人たちや外国人にとって歩きやすいまちにしていきたい」と話していました。