県立西宮病院の看護師懲戒免職 医師のIDを無断で使い処方箋

県立西宮病院の看護師が、医師のIDとパスワードを繰り返し無断で使って処方箋を発行し、薬を購入していたとして懲戒免職処分となりました。

懲戒免職処分を受けたのは、県立西宮病院に勤務していた45歳の看護師です。
県によりますと、この看護師は、少なくとも平成30年1月からことし1月までの5年間、22回にわたって同じ病棟で働く医師のIDとパスワードを無断で使って処方箋を発行し、皮膚病の薬を病院外の薬局で購入してみずから使用していたということです。
処方箋を発行しているところを同僚の職員が目撃して発覚しました。
聞き取りに対して看護師は「医師が忙しくしているのを見て、勝手に判断して電子カルテに記入してしまった」と話しているということで、県は26日付けで懲戒免職処分としました。
県は今後、公文書偽造などの疑いで刑事告発する予定です。
また、県は実際に診察した際に電子カルテを見て不正に気づきながらやめさせなかったとして、IDを使われた医師を減給処分とし、監督する立場の院長など4人も戒告処分としました。
県によりますと、この病院では、緊急時に備えて医師のIDとパスワードを一部の看護師に共有していたということですが、今回の件を受けてすべての県立病院にIDとパスワードを適正に管理するよう通知を出し、今後、ICカードなどで本人認証をするシステムを導入することにしました。
県病院局管理課の吉川昭裕課長は会見で「県民の皆さんにご迷惑をおかけし、おわびします」と謝罪しました。