高2男子刺殺事件から13年 着衣など遺品返却に遺族の思いは

神戸市北区の路上で当時、高校2年生の男子生徒が刃物で刺されて殺害された事件から今月(10月)で13年です。
ことし6月には殺人の罪に問われた元少年に実刑判決が言い渡され、遺族のもとには刃物で切られた跡が残った男子生徒の衣服などが返却されました。
遺品を見た男子生徒の父親は「どれだけ痛かっただろうかとの思いがこみ上げてきた」と苦しい胸の内を語りました。

13年前の2010年10月、神戸市北区の路上で、近くに住む高校2年生の堤将太さん(当時16)が、当時17歳の元少年(30)にナイフで刺されて殺害されました。
ことし6月、殺人の罪に問われた元少年は、神戸地方裁判所での1審で懲役18年の判決が言い渡されましたが、この判決を不服として大阪高等裁判所に控訴しています。
その翌月の7月中旬には、神戸地方検察庁で証拠品として保管されていた将太さんの衣類などが遺族のもとに返却されました。
長袖と半袖のTシャツ、それにズボンやサンダルなどあわせて6点がダンボールの箱の中に納められていて、Tシャツには刃物で切られた跡などが生々しく残っていました。
事件の悲惨さを広く知って欲しいとNHKの取材に応じた将太さんの父親の敏さん(64)は、「衣類なども将太の一部で、遺骨と同じくらい大切なものなので引き取ることにしました。遺品を見た時、こんなにもひどいことをされたのか、どれだけ痛かっただろうかとの思いがこみ上げ、改めて、絶対に許せないという気持ちになりました」と苦しい胸の内を語りました。
ほかの家族は、精神的な負担などから今もまだ遺品を見ることができていないということです。
事件から13年がたちましたが、年月がたっても敏さんたち遺族の心の傷は癒えることはなく、怒りや無念さは年々、大きくなっています。
敏さんは、今後、犯罪被害者が置かれている状況について理解を深めてもらおうと、みずからの裁判での経験などについて伝えるための講演活動などに力を入れていく考えです。
敏さんは、「自分が犯罪被害者になるまでは、事件などで家族の命を失うということは全く別の世界で起こっていることで、自分には全く関係が無いと思っていました。ただ、犯罪は身近なところにあり、だれもがその被害者になり得るということを知ってもらえれば、犯罪被害者への理解も進むと思います」と話しています。