円安 海外留学の費用も高騰 大学窓口には学生から相談相次ぐ

このところの円安の影響で、海外留学にかかる費用も高騰していることから、大学の留学支援窓口には奨学金の制度や、留学先の変更を検討すべきかといった学生からの相談が相次いでいます。

このうち神戸市にある神戸市外国語大学では、コロナ禍前の2019年にはおよそ300人の学生が、アメリカやヨーロッパを中心に留学していました。
政府の水際対策の緩和などを受けて学生の留学は再開し、去年はおよそ70人が留学しましたが、ことしも大幅な増加は見込めないとしています。
その背景にあるのが、このところの円安の進行です。
現地での生活費を含む留学費用は、この1年間で1.5倍から2倍に膨れ上がっていて、留学支援の窓口には、資金繰りに頭を悩ませる学生や親からの相談が増えているということです。
具体的には▽留学支援のための奨学金制度がないかや▽留学先を費用の抑えられるほかの国や地域に変更したほうがいいかなどの相談が多く寄せられていて、大学では大学や民間の奨学金制度を紹介しているほか、留学先の変更や期間の短縮などのアドバイスを行っているということです。
窓口を訪れた国際関係学科4年の男子大学生は、来年秋にスウェーデンかイギリスの大学院に、留学することを目指していますが、いずれの国の通貨に対しても円安が進んでいて、留学費用は当初、想定していた以上にかかる見込みで、どのようにすれば少しでも費用を抑えられるかを相談していました。
窓口の担当者は、一般的にシェアハウスと比べて学生寮の方が安いなどとアドバイスしていました。
学生は「円安もあって奨学金がないと本当にきついなという印象ですが、海外の大学院に行って学びたい気持ちが強いので、どうしても留学したいと思っています」と話していました。
神戸市外国語大学国際交流センターの壽谷理恵係長は「たくさんの学生に留学の機会を与えられるよう、さまざまな提案をして、引き続きサポートしていきたい」と話していました。