ノーベル文学賞 村上春樹さん選ばれず ゆかりの店や母校では

ことしのノーベル文学賞の受賞者が日本時間の5日夜、発表され、ノルウェーの劇作家、ヨン・フォッセ氏が選ばれました。
受賞が期待されている世界的な作家、村上春樹さんにゆかりのある神戸市のレストランでは、ファンたちが発表の瞬間を見守りました。

神戸市中央区のイタリア料理のレストラン「ピノッキオ」は、阪神・淡路大震災のあと村上さんが兵庫県内を歩いてめぐった際、食事をした店としてエッセイに登場しました。
店では、客に出すピザに創業以来何枚目にあたるか記したカードを添えていて、村上さんはカウンターに1人で座って、生ビールとともに「95万8816枚目」のシーフードピザを食べたとつづっています。
5日夜は「ハルキスト」と呼ばれる熱心なファンが集まり、発表の瞬間を見守りました。
そして、ノルウェーの劇作家に決まったことが分かると、がっかりした様子で肩を落としながらも、シャンパンなどで乾杯して来年の受賞に期待を寄せていました。
店を訪れた女性は、「受賞とはならず残念ですが、これからもたくさんの人に村上さんの本を読んでもらいたいです」と話していました。
別の男性は、「イギリスのブックメーカーで村上さんが1番人気となっていて、ことしこそはと思っていたので残念です。そろそろ村上さんを受賞させてほしいです。来年もまたここに集まろうと思います」と話していました。

【村上さんの母校 芦屋の中学校では】
村上春樹さんが卒業した芦屋市の中学校では、教員や同級生が集まってノーベル賞発表の様子を見守りました。
芦屋市の市立精道中学校では、10年以上前から毎年、文学賞が発表される日に教員などが集まっていて、ことしも校長室で、インターネットで配信される発表の様子を見守りました。
そして、ノルウェーの劇作家に決まったことが伝えられると、残念そうな様子を見せていました。
中学1年生の時に村上さんと同じクラスだったという久津那謙さんは、「受賞が決まったときに、同級生として一緒にお祝いしたいと思って毎年母校に来ていますが、今年も取れず残念です。私たちも年をとっているので来年にはけりをつけてほしい」と話していました。
西端充志校長は、「残念でしたが、遅かれ早かれ確実に取ると思うので、今後も期待したいです。ノーベル賞を取らなくても偉大な卒業生なので誇らしいです」と話していました。