安全な登山環境を 六甲山系の旧茶屋や空き家撤去に補助金

神戸市は、安全に登山を楽しめる環境を整備し、観光客の増加にもつなげようと、登山道付近にある空き家の解体費用を補助する取り組みを始めていて、所有者に活用を呼びかけています。

神戸市は、多様な山に囲まれた地形を生かして観光客の増加につなげようと「神戸登山プロジェクト」という取り組みを今年度(令和5年度)から始めていて、ことし7月には、JR新神戸駅に登山用の靴を借りられる施設を新たにオープンさせるなど、気軽に登山を楽しめる環境づくりを進めています。
一方で、市が去年、六甲山系にある4つの主な登山道を調べたところ、かつて茶屋として使われていた建物や老朽化した空き家などが道沿いにおよそ40軒、見つかったことから、市は登山者の安全の確保と景観の向上に向けた新たな取り組みを始めました。
具体的には、空き家などの所有者の調査を進めたうえで、撤去に同意すれば必要な解体費用を1件につき最大で350万円補助するということです。
市は山の中にある建物を解体する場合、必要な機械などを持ち込むのに通常より人手がかかり、解体費用も高くなることから、補助制度を利用してほしいとしてホームページなどで申請を呼びかけています。
神戸市観光企画課は「安全性と魅力を高めて多くの人に登ってもらえる山の環境づくりを今後も進めていきたい」としています。