コウノトリ 関東から九州の12府県で104羽が巣立ち

国の特別天然記念物のコウノトリについて、ことし関東から九州にかけての各地で、去年より20羽余り多い104羽が巣立ったことが、兵庫県の施設が行った調査で分かりました。

コウノトリの野生復帰に向けて取り組んでいる兵庫県豊岡市にある「県立コウノトリの郷公園」は、全国各地の自治体などと協力して、繁殖の状況を調べています。
それによりますと、ことしは関東から九州にかけての12の府と県で、あわせて49のペアから104羽のひなが巣立ったことが確認されました。
去年より20羽余り多く、広島県と香川県それに茨城県では初めて巣立ちが確認され、兵庫県内でも稲美町で初めて3羽のひなが巣立ちました。
また野外で生息するコウノトリは、8月末の時点で、去年の同じ時期より70羽余り多い383羽にのぼるということです。
数の増加に伴って、農作物を動物から守るネットにコウノトリが絡まるなどの事故も起きているということで、施設は今後、繁殖地の自治体などと協力し、必要な対策を盛り込んだ野生復帰のための新たな計画をまとめることにしています。
県立コウノトリの郷公園の久下隆史 園長は「野生への復帰が、順調に進んでいることを評価したい。コウノトリが飛来する地域の人たちと連携し、新たな課題も解決できる環境を作っていきたい」と話しています。