医師に上限上回る時間外労働 兵庫県立の4病院に是正勧告

救命救急医療の中核を担う兵庫県内の4つの県立病院が合わせて10人の医師に労使間の協定で定められた上限を上回る時間外労働をさせていたとして、労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかりました。
「過労死ライン」の2倍近くにあたる月190時間の残業をしていた医師もいて、県は、長時間労働の解消に取り組むとしています。

是正勧告を受けていたのは、▽県立西宮病院、▽尼崎総合医療センター、▽加古川医療センター、それに、▽淡路医療センターの4つの県立病院です。
県によりますと、4つの病院は、ことし6月までのおよそ3年半の間、合わせて10人の医師に労使協定の上限を上回る時間外労働をさせていたとして、労働基準監督署から延べで5回、是正勧告を受けていたということです。
労使協定は、病院ごとに結ばれていて、このうち県立西宮病院では、月100時間とされる「過労死ライン」の2倍近くにあたる月190時間の残業をしていた医師も確認されました。
また、勧告を受けた4つの病院を含む複数の県立病院では、実際の医師の出勤や退勤の時間と記録上の労働時間が大きく食い違っていたため、労働基準監督署からそれぞれ指導を受けたということです。
県病院局は「勧告を真摯(しんし)に受け止めている。医療サービスを低下させることなく、長時間労働の解消に取り組んでいきたい」と話しています。