側溝の鉄製のふた 兵庫県内でも盗難相次ぐ 警察が捜査

「グレーチング」と呼ばれる側溝に取り付けた鉄製のふたが盗まれる被害が兵庫県内で相次いでいて、ことしに入ってから先月までに、700枚余りに上っています。
警察は、金属の価格などが高騰する中、何者かが転売目的で盗んだとみて、捜査を進めています。

兵庫県警によりますと、ことし1月から先月までに、側溝に取り付けた鉄製のふた「グレーチング」が盗まれる被害が135件、枚数にして725枚に上るということです。
被害が確認された現場は、三木市や丹波市、それに、西脇市などの人通りが少ない道路沿いに集中しているということです。
このうち、丹波篠山市の県道77号のトンネル付近では、ことし5月から6月にかけて、あわせて10枚が盗まれているのが見つかりました。
県は、順次、新たな「グレーチング」を設置するとともに管理する道路でのパトロールを行って警戒を強化しています。
被害は、県内だけでなく全国各地で相次いでいて、警察は、金属の価格などが高騰する中、何者かが転売目的で盗んだとみて、捜査を進めています。

【鉄くず 高値で取り引き】
「グレーチング」が盗まれる背景には、鉄の値上がりがあるとみられています。
金属の買い取り業者などでつくる団体によりますと、鉄鋼メーカーによる鉄くずの買い取り価格は、3年前の8月は、1トン当たりおよそ2万5000円でしたが、ことし8月には、5万円ほどと2倍に跳ね上がり、高値で取り引きされています。
「グレーチング」を製造する企業などによりますと、「グレーチング」そのものをリサイクル業者に持ち込んでも盗難品の可能性が高いとみなされ、通常、買い取りされないため、闇市場=ブラックマーケットで買い取りされたあと、溶かされて再利用されている可能性があるということです。

【“価格の高騰が背景に”】
「グレーチング」を製造する企業でつくる「鋼製グレーチング工業会」の土井正夫代表理事は「コロナ禍からの経済回復により、資材の需要が拡大していることで、鉄スクラップの価格が高騰していることを背景に、盗難が増えているのではないか。過去には、2008年の北京オリンピックに伴う建設ラッシュで資材価格が高騰した際も、全国的に『グレーチング』の盗難が相次いでいると業界内で話題になった」と話しています。
その上で、盗難を防ぐための対策としては、鎖で固定したり独自のマークをつけたりして、転売しにくくすることが有効だとしています。