市立伊丹病院の研修医の自殺 遺族が市に損害賠償求め提訴

5年前、伊丹市の病院に勤務していた研修医の男性が自殺したのは、長時間労働による精神障害を発症したことが原因だとして、男性の遺族が病院を運営する伊丹市に1億3000万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。

神戸地方裁判所に訴えを起こしたのは、5年前、25歳の時に自殺した研修医の男性の両親です。
訴えによりますと、男性は、2018年4月から、市立伊丹病院で、研修医として外科などを担当していましたが、その年の7月に、1人暮らしをしていた病院の寮で自殺しました。
ことし3月、伊丹労働基準監督署から労災認定を受け、男性は、うつ病の症状がみられたことや死亡までの2か月間に70時間以上の時間外労働があったことが認められたということです。
男性のスマートフォンには「まわりからの視線が冷たい。ぼくはもう限界。これ以上がんばりたくない」などと書かれたメモがあったということです。
両親は、長時間労働による負担や担当した患者の死亡が重なり、みずからを技術不足だと悩んだ末、うつ病を発症したことが自殺の原因だとして、病院を運営する伊丹市に1億3000万円余りの損害賠償を求めました。
伊丹市は、NHKの取材に対し、「係争中のため、コメントは差し控える」とコメントしています。