燃料高騰 漁業も苦境に「高騰続けば廃業する人も」

原油価格の値上がりの影響で、船の燃料も高騰していて、明石だこなどの水揚げを行う漁港の関係者は「このまま燃料の高騰続けば廃業する人もでる」と話しています。

明石市の東二見漁港では、兵庫県のブランドとして有名な明石だこや明石鯛などといった、瀬戸内の新鮮な魚介類の水揚げが盛んに行われています。
東二見漁協によりますと近海で漁を行う船は、燃料として1日あたり100リットル程度の軽油を使用していて、ここ数年で最も価格が安かった3年前と比べると、燃料代がおよそ1.5倍に増え、収益を圧迫しているということです。
こうした中、漁協では少しでも燃料の使用を減らそうと、水の抵抗を減らし燃費を向上させるため船底に付く貝などを頻繁に清掃することを促したり、漁を終えて帰ってくる際は速度を抑えたりすることなどをアドバイスしています。
地元の漁業者によりますと、船底の清掃を行うことで燃費が2割程度改善されるということで、少なくとも2か月に一回はスコップなどで清掃しているということです。
しかし、漁業者の中には一定以上の漁獲量が見込めない日は赤字になるとして、漁に出るのを見送る人も増えているとしています。
30年以上漁をしている男性は「燃料代が上がってしんどい。魚の価格も比例して上がってくれればいいけどそうもいかない。スピードを落としているが、どれくらい効果があるものか」と話していました。
東二見漁協の福井基之参事は「普通の企業は物価の高騰で値上げが出来るが、漁師は市場が価格を決めるので値上げが自主的に出来ない。これ以上、燃料代が上がると廃業を検討する人も出てくる可能性がある。食卓に明石の水産物が並ばなくなるのは寂しいので、それは何とか避けたい」と話していました。