神戸市の病院の医師の自殺労災認定 遺族が厚労省に嘆願書

去年、神戸市の病院に勤務していた医師が自殺し、その後、労災に認定されたことを受けて、遺族が8月31日、厚生労働省を訪れ、病院への調査や医師の働き方改革を進めることなどを求める嘆願書を提出しました。

嘆願書を提出したのは、神戸市東灘区の「甲南医療センター」で専攻医として勤務していた高島晨伍さん(当時26)の母親です。
高島さんは、去年5月に自殺し、西宮労働基準監督署から長時間労働が原因だとして、労災に認定されていて、嘆願書では、勤務先の病院に対して国が引き続き調査を行い、必要な是正勧告を行うことを求めています。
また、診療などのかたわらで行う「自己研さん」の認識の違いなどから、残業時間の認定について、労働基準監督署と病院でかい離があったとして、労働時間の把握など、労務管理の対策を検討するよう求めています。
その上で、来年から始まる医師の働き方改革を実現させてほしいと訴えています。
母親の高島淳子さんは、記者会見で、「労災に認定されても、心優しい大事な息子は、家族のもとに帰ってこない。今後二度と同じようなことが起きないよう、医療と行政で連携して対策を進めて欲しい」と話していました。
高島さんは、31日に、過労死で亡くなったほかの医師の遺族と一緒に遺族会を立ち上げたということで、今後、医師の働き方改革などを進める活動を行っていくということです。