妖怪で町おこしの福崎町 新たに「喰わず女房」のベンチを設置

「妖怪」にちなんだ町おこしを進めている福崎町で、妖怪が座るベンチが新たに設置され、29日、お披露目されました。

福崎町では、地元出身の民俗学者、柳田國男の著書などをテーマに妖怪を使った町おこしを行っていて、7年前からは人気の妖怪が座るベンチの設置を進めています。
これまでに、町内のコンビニや飲食店などに「一反もめん」や「猫また」の妖怪が町なかに溶け込むように座っています。
きょうは、辻川観光交流センターに21基目となる「妖怪ベンチ」がお目見えし、記念のセレモニーが開かれました。
新たなベンチに座るのは「喰わず女房」と呼ばれる妖怪です。
ごはんを食べずに働く女房が、1人になると頭部に隠してある口で握り飯を食べる様子が表現されています。
やさしげな見た目に反して、背中には大きな口と髪の毛に包まれたおにぎりを持っていて、訪れた子どもたちのなかには、その怖さに思わず顔を背けてしまう子もいました。
加古川市から家族で見に来た小学5年生の女の子は「前と後ろの顔の印象が違うので怖かったです」と話していました。
ベンチの制作を担当した大阪市の造形師、守屋徹志さんは「今にもかみそうな歯や歯ぐきの色とつやにこだわりました。裏側に回ったときに悲鳴が聞こえれば、制作者冥利につきます」と話していました。