事故で親鳥失ったコウノトリ3羽 保護施設から野外に

兵庫県養父市で生まれた3羽のコウノトリが事故で親鳥を失ったあと保護施設で育てられ、野生でも暮らしていけると判断されたことから、21日、野外に放たれました。

国の特別天然記念物のコウノトリが巣を作れるよう養父市八鹿町に設置された人工の塔では、ことし4月、3羽のヒナが生まれましたが、翌月、近くで母親の鳥が列車に接触し死んでいるのが見つかりました。
その後は父親の鳥がエサを運び子育てをしていましたが、ほかの野鳥などに襲われるおそれがあるため、「県立コウノトリの郷公園」が3羽のヒナを保護しました。
3羽は豊岡市の保護施設で、子育て経験のある別のペアに預けられて順調に育ち、飼育員から自力でエサをとる訓練も受け、野生の環境でも生きていけると判断されたことから、21日、生まれた塔の近くで野外に放たれました。
子どもたちが見守る中、田んぼの中を数歩歩いて周りを見回してから飛び立つ姿も見られましたが、やがては上空を旋回して遠くに飛んで行ったり、田んぼに降り立ったりしていました。
様子を見た子どもたちは、「病気にならないよう元気に育ってほしい」などと話していました。
公園によりますと、国内では先月(6月)末の時点で、あわせて330羽余りのコウノトリが野外で生息しているということです。