行方不明の高齢女性を発見 救命につなげた警察犬を表彰 加西

今月、兵庫県加西市で行方不明になっていた高齢の女性を発見した兵庫県警の警察犬に、表彰状が贈られました。

表彰されたのは、兵庫県警の警察犬で4歳になる雄のジャーマンシェパード「クレバ・フォム・フンデ・シューレ号」です。
クレバ号は、今月4日、加西市内で行方不明になっていた80歳の女性の捜索にあたった際、女性の枕カバーのにおいをたよりに自宅からおよそ500メートル離れたため池の近くで、女性のかばんと靴が落ちているのを発見しました。
そして、クレバ号がしっぽを振りながら顔を向けた方向を確認すると、ため池の浅瀬で女性があおむけに倒れて水につかった状態で見つかったということです。
女性はすぐに病院に運ばれ、当初は低体温症を引き起こして会話ができなかったということですが、発見が早かったこともありその後、容体は回復したということです。
27日、加西警察署で大戸英治署長から指導員とともに表彰され、ご褒美に好物だというジャーキーが贈られました。
クレバ号は、3年前には行方不明者の捜索中に逃げ出すこともありましたが、鋭い嗅覚を生かしてこれまでに8回、行方不明者を発見しているということです。
大戸英治 署長は、「発見が遅れていたら命に危険が及んだので、早期に発見してくれてよかったです。今後も活躍を期待しています」とねぎらっていました。

【出動は増加傾向 背景に高齢化】
行方不明者の捜索や救助のため警察犬が出動するケースは増えています。
兵庫県警察本部によりますと、去年(令和4年)1年間に警察犬が捜査で出動した件数は、前の年より64件多い910件でこのうち702件は行方不明者の捜索や救助での出動です。
背景にあるのは高齢化です。
特に認知症の高齢者が行方不明になるケースは増えていて、去年1年間、県内で認知症やその疑いのある高齢者が行方不明になった件数は、前の年から311件増えて2115件で全国で最も多くなっています。