猛烈な台風2号 近畿地方に近づく可能性も 情報に注意を

日本のはるか南を西に進んでいる猛烈な台風2号は、北上した場合は、来週、前線の活動に影響して兵庫県内でも、大雨などにつながる可能性があり、神戸地方気象台の防災担当者に、今後の見通しとともに豪雨をめぐる情報の発表で新しく始まった取り組みについて、聞きました。

アメリカの気象機関が「スーパー台風」だと発表している台風2号について、神戸地方気象台の天野智裕防災気象官は、今後の見通しについて、「来週前半にかけて、沖縄の南に進み、その後、進路を北に変えて、近畿に近づく可能性がある」と話しています。
こうした進路を取った場合は、台風を取り巻く湿った空気が流れ込んで前線の活動が活発になる見込みで、大雨になるおそれもあるということです。
天野防災気象官は「今月にこれまで降った雨で、土砂災害が起きた場所では復旧作業をしているところもあり、こうしたところでは、今後の大雨によって、さらに崩れる可能性もあるため注意が必要だ。晴れ間もあるこの土日の間に、避難場所や避難ルートの確認、それに防災グッズの用意をしてほしい」と呼びかけています。
気象台は、台風の影響については、このあと、順次、発表される情報に注意するとともに今後、梅雨入りすることで、大雨となる可能性も高まる中、新たな運用を始めた情報も活用してほしいとしています。
気象庁が25日から運用を新しくしたのは、発達した積乱雲が次々と連なり、大雨をもたらす「線状降水帯」の情報です。
気象庁は、すでに「線状降水帯」の発生が確認され、土砂災害や洪水の危険性が急激に高まった際に、「顕著な大雨に関する情報」を発表して安全の確保を呼びかけていますが、この情報について、前倒して発表することになりました。
発表基準は、5キロ四方の3時間の解析雨量が100ミリ以上あり、それが分布している領域の面積の合計が500平方キロメートル以上確認された場合で、その領域の形状が「線状」であることなど従来と変わりませんが、新たな運用では、実際に基準に達していなくても30分先までに達すると予測される場合に出されます。
天野防災気象官は「今回の運用変更で、たった30分ではあるが、少しでも早く命を守る行動につなげていただければと考えている。この情報が発表された地域の人は、速やかに市町が発表する避難情報を確認し、身の安全を守る行動をとってもらいたい。また、周辺の地域においても、河川の氾濫や線状降水帯が移動してくる可能性があるため、速やかに避難できる態勢を取るようにしてほしい」と話しています。