宍粟市に住民が出資した水力発電所稼働 完成祝い式典

宍粟市で、住民たちが出資して建設した小規模の水力発電所が本格的に稼働を始め、22日、完成を祝う式典が行われました。

森林が市内のほとんどを占める宍粟市千種町の黒土地区では、豊富な自然資源を活用して地域の活性化を図ろうと、自治会の有志などが出資して、川の流れを利用した小規模の水力発電所を建設することにしました。
住民たちは、「黒土川小水力発電合同会社」を設立し、勉強会を重ねたあと、京都の企業に技術的な支援を受けながら、7年間かけて発電所を建設し、試運転が行われたあと、22日から本格的に稼働し、完成を祝う式典が行われました。
発電所は、およそ8800万円の総工費で建設され、黒土川の50メートルほどの高低差を利用して下流に置いた小型の水車で発電し、1年間の発電量は、一般家庭およそ50世帯分の電力に当たる年間20万キロワットほどを見込んでいるということです。
電気は、国の再生エネルギー買い取り制度を活用して販売することにしていて、収益は、地域の活性化のために森林や川の保全活動やイベントなどに活用していく予定です。
会社の社長に就任した春名玄貴さんは「少子高齢化や農作物の獣害などの地域の問題を、水力発電の利益を活用して少しでも解消していきたいです」と話していました。