アジア太平洋地域の空港管理者総会 コロナ対応など議論 神戸

世界各地の空港管理者でつくるACI=国際空港評議会のアジア太平洋地域の総会が神戸市で開かれ、コロナ禍で得られた教訓や将来の感染拡大への備えなどをめぐって議論が交わされました。

ACIは、関西の3つの空港を運営する「関西エアポート」など、世界171の国と地域で空港を運営する企業などでつくる組織で、17日から神戸市でアジア太平洋地域の総会が開かれています。
開会式で、関西エアポートの山谷佳之社長は、「空港・航空業界はパンデミックからの回復に向けた重要な時期に差し掛かっている。コロナ禍で得た経験を共有して世界の交流を牽引していきましょう」とあいさつしました。
今年の総会では、コロナ禍で移動が厳しく制限され航空業界が大きな打撃を受けたことから、▼その経験と教訓を共有するとともに、▼将来、起こりうる同様の感染拡大にどう備えるかをテーマに議論が行われました。
このうち、将来への備えをテーマにしたセッションでは、ワクチンの接種証明や検査での陰性証明の様式が国によって違い、空港でのチェックに時間や手間がかかったとして、次の感染拡大に備えて世界共通のシステムをつくるべきだといった意見が出されました。
また、人の往来が戻るなか、各国の空港で人手不足が問題となっていることから、同様の感染拡大が起きて、航空需要が減った場合でも、業界全体で雇用を守っていけるような仕組み作りが必要だという意見が出されました。
ACIアジア太平洋地域の総会は18日まで開かれ、航空業界としての脱炭素への取り組みなどについて意見が交わされる予定です。

【神戸空港は】
神戸空港の利用者や旅客便の発着回数は、コロナ禍からの回復が鮮明となっています。
神戸空港を運営する関西エアポートによりますと、昨年度(2022年度)、神戸空港を発着する国内線を利用した人の数は、311万人で、前の年度より77%増えました。
これは、コロナ禍前の2018年と19年に次いで過去3番目に多くなっていて、国の「全国旅行支援」を受けて旅行に出かける人が増えたことが主な要因だということです。
また、コロナ禍からの需要の回復に伴って航空会社が便を増やしたことから、神戸空港を旅客便が発着した回数は3万4400回余りと、前の年度より15%増えて過去最高となっています。