神戸市 下水処理で発生するバイオガスを「発電の燃料に」
下水処理の過程で発生するバイオガスをエネルギーとして有効に活用しようと、神戸市は、こうしたガスを燃料に発電し、その電力で水素を作る取り組みを始めることになりました。
下水処理では、汚泥処理の過程で、メタンを含むバイオガスが発生していて、神戸市は、これまで下水処理場で発生したガスを精製して、路線バスの燃料などとして販売してきました。
市は、さらに有効活用を進めようと、新たに令和6年から、東灘区の下水処理場で、民間事業者と協力してガスを発電の燃料として使用することになりました。
こうしたガスを燃料に発電される電力量は、年間でおよそ870万キロワットアワーと、一般家庭のおよそ2400世帯分に相当するということで、電力会社に販売する予定です。
また、この電力を使って水を電気分解し、燃やしても二酸化炭素を排出しない「水素」を作ることにしていて、市長が乗る燃料電池車の燃料として活用することにしています。
市によりますと、こうした取り組みを通じて、削減できる二酸化炭素の量は年間で3100トンと、これまでの2倍以上に増える見通しだということです。
神戸市の久元市長は「これだけ下水処理場で新たな取り組みを行う自治体はほかに例がなく、神戸市が下水と資源活用のトップランナーとしての役割をしっかりと果たしていきたい」と話しています。