観光業振興へ 兵庫県でも11日から「全国旅行支援」スタート

コロナ禍で落ち込んだ観光を盛り上げようと、旅行代金を割り引く「全国旅行支援」が11日から兵庫県内でも始まります。

国の「全国旅行支援」は、これまでの各都道府県などでの旅行代金などを割り引く「県民割」に代わって、全国に対象を拡大するものです。
具体的には、旅行代金を1人1泊あたり、最大で8000円、クーポン券も含めると最大で1万1000円、割り引きを受けることができます。
割り引きを受けるには、新型コロナのワクチンを3回接種していることやPCR検査などで陰性が確認されたことの証明が必要です。
県内では、今月11日以降に予約・販売された旅行が対象で、県内の人が県外に旅行する際にも、行き先の都道府県がキャンペーンを行っていれば割り引きを受けられます。
東京都を除くすべての自治体で、予定通り11日から実施できる見通しですが、詳細は、自治体によって異なることから、自治体のホームページなどで確認する必要があります。
一方、政府は、11日から入国者数の上限を撤廃し、短期滞在のビザの取得免除や外国人の個人旅行の解禁など、新型コロナの水際対策を大幅に緩和します。
こうした対策を受けて、県内を訪れる観光客が大きく増えることが予想されていて、県では、コロナ禍で落ち込んだ観光を盛り上げたいとしています。

【街の人は】
11日から兵庫県でも始まる「全国旅行支援」について、神戸市の繁華街にある商店街、三宮センター街で話しを聞きました。
西宮市の40代の自営業の女性は「『Go Toトラベル』も利用してお得だと思ったので、今回の『全国旅行支援』もぜひ利用したいです。ただ、使うための手続きが難しそうなので、簡単になればいいなと思います」と話していました。
宝塚市の40代の主婦は「旅行に関わる仕事に就く人は今まで苦しかったと思うので、いい取り組みだと思います。私も利用してみたいですが、長期休みの時期は対象外になっているので、もっと期間を延ばしてほしいです」と話していました。
一方、神戸市須磨区の70代の看護師の女性は「経済も大事だと思いますが、介護施設で働いているので、旅行者が増えればコロナウイルスの感染者も増えそうで心配で、手放しで賛成することは難しいです」と話していました。
神戸市須磨区の60代の会社員の男性は「時期などが限定されていることもあり、私はこの制度は利用しないと思います。みんなが旅行に行けるわけではないので、制度に不平等感も感じます」と話していました。

【淡路島の漁協からも期待の声】
「全国旅行支援」が始まるのを前に、養殖トラフグを生産し、淡路島のホテルなどに出荷する南あわじ市の漁協からは期待の声が聞かれました。

南あわじ市の福良港では、鳴門海峡の周辺で、通常より1年長い3年かけてトラフグを養殖していて、大きくなって身が引き締まり、味も濃いことから、淡路島の冬の特産物となっています。
福良漁協では、全体のおよそ4割を毎年10月初旬から地元のホテルに出荷していて、2年前の令和2年度は、コロナ禍で宿泊客が減少し、地元のホテルなどへの売り上げは、例年の3割程度にとどまりました。
一方、昨シーズンは、県内版の「Go Toトラベル」のキャンペーンが実施され、宿泊客の予約が増えたことから、トラフグが足りなくなり、シーズン途中で提供を終了する事態になりました。
このため、ことしは、本格的な出荷を通常より1か月遅らせて来月から始めることにしていて、11日から始まる「全国旅行支援」に期待しているということです。
福良漁協の前田若男組合長は「おととしと去年の売り上げは、需要と供給のバランスがまるでジェットコースターで、先行きが見えないのはとても不安だった。今回の旅行支援を通じて、全国の方に多くお越しいただけるのを期待する」と話していました。

【有馬温泉 旅館への問い合わせ相次ぐ】
「全国旅行支援」が始まるのを前に、県内の観光地からは期待の声が上がっています。
このうち、神戸市北区の有馬温泉の旅館では、海外を中心に問い合わせのメールが連日100件以上届いていて、対応が追いつかなくなっています。
問い合わせは、韓国の個人旅行客からが多く、シンガポールやタイなど東南アジアの国々からも寄せられていて、来年の春先にかけて、宿泊の予約が入っているといいます。
また、「全国旅行支援」の開始を前に、国内からの問い合わせも相次いでいるということです。
この旅館では、海外の富裕層の利用が増えると見込まれることや旅行支援で高級な部屋の需要が高くなることを見越して、これまで3部屋あったところを1つの大きな部屋に改装し、より豪華で長期滞在に適した部屋を新しく作りました。
最低賃金の上昇や人手不足などの影響で、人件費は以前よりも1割ほど増えたほか、食材価格なども高騰し、利益を圧迫しているものの、キャンペーンなどの需要を取り込み、コロナ禍で落ち込んだ売り上げを回復したいと考えています。
有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「すでに海外からの予約は入り始めていて、『全国旅行支援』によって、一気にお客様が増えると想定されます。もともと紅葉シーズンは観光客が多い時期なので、この流れが来年以降にも続いてほしいです」と話していました。