動物虐待に対応 兵庫県の弁護士や獣医師が専門家チーム

犬や猫などの動物虐待を専門に扱う弁護士などの専門家チームが発足し、これに合わせて神戸市で、動物虐待への対応を考えるシンポジウムが開かれました。

動物虐待は、家や施設の中など、周りから見えにくいところで行われることが多いため、被害が明らかになりにくかったり虐待の証拠が集めにくかったりして、適切な対応が取られていないケースが多いと言われています。
こうした中、県内の弁護士や獣医師が動物虐待を専門に扱う専門家チームを発足させ、3日、神戸市の弁護士会館で、シンポジウムが開かれました。
この中で、まず、動物愛護活動に取り組む俳優の杉本彩さんが講演を行い、「虐待されている動物はみずから声を上げることができず、逃げることもできない。気づいた人たちができる行動を起こしてほしい」などと話しました。
このあと行われた議論で、出席者からは、被害を受ける動物を救うことに加えて、適切な飼育をしていない飼い主への処分が行えるよう、協力して虐待の証拠を押さえるなどの対応が必要だといった意見が出されました。
専門家チームは、今後、提供された情報を精査して実態を調べ、必要があれば刑事告発も行うということです。
NPO法人「どうぶつ弁護団」の細川敦史弁護士は「動物虐待の事案は、警察が対応しにくいものもあるので、法律の専門家である私たちが警察につなげたい」と話していました。

【繁殖業者の問題も】
福井県の犬や猫の繁殖を行っている業者の施設で撮影された動画では、コンクリートの狭い囲いの中で、多数の犬が過密な状態で飼育されている様子が映っています。
施設の関係者から情報提供を受けて、視察を行った公益社団法人、「日本動物福祉協会」によりますと、この施設では、380匹あまりの犬や猫に対し、職員はわずか2人で、施設内は、刺激臭が立ちこめていて、不衛生な環境で飼育されていたということです。

【警察による検挙件数も増加】
警察庁によりますと、去年1年間に、ペットなどの動物を虐待したとして動物愛護法違反の疑いで、全国の警察が検挙した事件は170件で、統計を取り始めた2010年以降、最も多くなりました。
動物別では、▽猫が95件、▽犬が60件と、全体の9割以上を猫と犬が占めています。
内容別では、▽生きたまま捨てる「遺棄」が81件、次いで▽エサを与えなかったり劣悪な環境で飼育したりするなどの「虐待」が48件、▽殺傷が41件でした。
去年11月には、長野県の施設で、350匹以上の犬を劣悪な環境で飼育し衰弱させるなど虐待したとして、ペット販売などを行っていた会社の元社長らが逮捕されました。
検挙件数は、去年までの10年間でおよそ6倍に増えていて、専門家は社会的な関心の高まりや動物愛護団体による通報などの影響があるとみています。