首都圏からの観光客誘致へ 旅行会社の担当者が体験型ツアー

兵庫県は首都圏からの観光客などが伸び悩んでいることから、県内各地の魅力を積極的に発信していこうと、観光プランを企画している旅行会社の担当者に県内をめぐってもらう体験型のツアーを行っています。

兵庫県は首都圏の1都3県から訪れる観光客などの割合が関西2府4県で最も低くなっていて、コロナ後を見据えた観光施策の練り直しが課題となっています。
こうした中、県などは県内の魅力を積極的に発信して観光客の誘致につなげようと、観光プランを企画している旅行会社の担当者を対象にした体験型のツアーを27日と28日の2日間、行っています。
ツアーは摂津、播磨、丹波、但馬、淡路の「五国」と呼ばれる県内の地域ごとに企画され、このうち播磨地域のツアーでは加古川市の寺を訪れて座禅を体験しました。
続いて明石市の漁港を訪れ、タイなどの魚が生きたまま競り落とされる様子を見学したあと、地元の海の幸を使ったすしを堪能していました。
県の外郭団体である「ひょうご観光本部」の勝本勲 事業推進部長は「それぞれの地域で『体験できる観光』を増やして県内での滞在時間を長くしてもらい、観光で地域を元気にしていきたい」と話していました。

【県内各地の名産品をPRする催しも】
「体験型ツアー」の実施を前に26日は、県内各地の名産品を国内の旅行会社にPRする催しが神戸市で開かれました。
会場には斎藤知事も訪れ、「兵庫県のイメージがわきにくいという人もいる。県内のそれぞれの地域が育んできた魅力を発信し、多くの人たちにファンになってもらいたい」とあいさつしました。
会場には地域ごとに9つのブースが設けられ、灘五郷の酒や、小野市が産地のそろばんの玉を使ったキーホルダーなどが紹介されました。
このうちたつの市のしょうゆやみそが紹介されたブースでは旅行会社の担当者が「料理体験ができる観光が女性には人気があります」と話すと、地元の人が「実際に訪れてもらえればみそを使った食品作りが体験できます」などと説明していました。
旅行会社の担当者は「首都圏の人にとっては、兵庫がどんな場所であるとか魅力が分かりづらく、観光はこれまで大阪や京都で止まってしまっていた。『食』が魅力的な地域だときょう話を聞いてわかったので『食』を生かした旅行を企画・提案していきたい」と話していました。
【首都圏からの旅行者は9.6%】
兵庫県は観光名所が多くありますが、首都圏や海外からの観光客を十分に呼び込めていないという課題があります。
公益財団法人日本交通公社によりますと、県内に訪れた旅行者のうち、首都圏1都3県から訪れた人の占める割合は9.6%で、関西2府4県の中では最も低くなっています。
また観光庁の調査によりますと、3年前に兵庫県を訪れた外国人観光客は全国でも11位の180万人余りでしたが、消費単価でみると1人あたり3万円にとどまり、全国で41位とワースト10に入っています。
つまり兵庫は、人口の多い首都圏からの観光客は相対的に少なく、外国人観光客は訪れたとしても「お金を使っていない」のが現状です。
県は、大阪府などと比べると日帰りで訪れる観光客が多く、滞在時間が短くなっているためだと分析しています。
一方で県が行った調査では地元に自慢したい地域の宝があると思うと答えた人は5割を超える一方、県が観光の振興を「よくやっている」「まあまあやっている」と答えたのは3割にとどまっています。
担当者は「観光のブランドPRが十分でなかった」と話しています。
県はこれまで県内で比較的観光客が多かった神戸だけでなく、各地域のブランド力の発信を強化し、国内外から多くの観光客が訪れると見込まれる3年後2025年の大阪・関西万博を見据え、魅力ある観光プランを作って誘客につなげたい考えです。