アスベスト労災認定の記録文書一部誤って廃棄 遺族が国を提訴

建設現場でアスベストを吸い込み肺の病気で亡くなった男性の遺族が、労災と認定した労働基準監督署に、調査に関する資料の一部を誤って廃棄され、建材メーカーの責任を立証する手段が失われたとして、国に賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、平成15年に中皮腫と呼ばれる肺の病気のため、54歳で亡くなった三木市の男性の遺族です。
訴状によりますと、男性は鉄工所を経営し、建設現場で溶接作業を行っていた際に、ほかの業者が切断した建材などから飛散したアスベストを吸い込み、亡くなった5年後の平成20年に労災認定されました。
去年(令和3年)、遺族が労働局に労災認定の記録を情報開示請求したところ、永久保存が義務づけられている文書のうち、男性の同業者に聴取した記録などが誤って廃棄されていたことがわかったということです。
遺族はことし3月、建材メーカーに賠償を求めて提訴しましたが、文書が廃棄されているため、どのメーカーの建材による被害なのかを特定することが難しく、建材メーカーの責任を立証する手段が失われたなどとしておよそ300万円の賠償を求めています。
男性の遺族は、「アスベストの被害者側へ追い打ちのように文書を廃棄したことは許せない」とコメントしています。
厚生労働省は「訴状が届いた場合には関係各所と対応を相談したい」としています。