水素社会実現へ向け 兵庫県知事と神戸市長が連携

次世代エネルギーとして期待される“水素”をテーマに、神戸市の久元市長と兵庫県の斎藤知事が講演し、水素社会の実現に向けて連携して取り組む考えを示しました。

この中で、神戸市の久元市長は、水素にまつわる市内での実証事業について紹介し、ことし、世界初の液化水素を運ぶ専用の船がオーストラリアから神戸港までの運搬に成功したことなど、先進的な取り組みを進めていることを発表しました。
また、斎藤知事は「1年前に知事に就任して以降、水素社会の実現は、県政の最も重要な課題の1つとして取り組んでいる」と述べ、ことし7月に、播磨臨海地域で、脱炭素化に向けた協議会を官民で設立したことなど、取り組みを加速させていることを強調しました。
その上で、2人は、ものづくりの企業が多い神戸や播磨地域を中心に、県内全域で水素を新たな産業として根付かせることなどを連携して進める考えを示しました。
講演を聞いた、神戸市で製造業に携わる60代の男性は「地元が水素に関して先進地域だと知り、感動した。新たなビジネスにつなげたいと期待しています」と話していました。

【水素社会推進に向けた兵庫県の取り組み】
水素をめぐって、兵庫県は、3年前、水素を有効に活用しながら、2050年に脱炭素社会を実現することなどを盛り込んだ「兵庫水素社会推進構想」を発表しています。
これを受けて、県は、水素の利用を後押しするためのさまざまな事業を進めています。
燃料電池車に水素を充填するための水素ステーションの設置や燃料電池バスの導入に向けて費用を補助しています。
また、燃料電池車を県の公用車として利用して、利用促進の課題を洗い出すため、大手自動車メーカーと実証実験を行ったほか、淡路島では、太陽光や風力の再生可能エネルギーによる発電を利用して水素を製造し、利活用するための調査を進めています。
ただ、水素の利用は県の狙い通りには進んでいません。
県は、水素を燃料とする燃料電池車を、2030年までに2万5000台普及させることを目標に掲げていますが、去年3月時点で103台にとどまっています。
車に水素を供給する水素ステーションも20か所の目標に対し、3か所にとどまるのが現状です。
こうした中、県は、ことし7月、「ひょうご水素・脱炭素社会推進本部」を設置し、県の各部局と連携して水素の活用に向けた政策の企画や調整に乗り出しました。
年内にも、県や地元の自治体、企業、それに有識者で作る推進会議を設置する方針で、先進的な取り組みを進めたいとしています。
関西電力が姫路市の火力発電所で水素を混ぜて発電する方針を示したことについて、兵庫県の斎藤知事は、31日の会見で、「兵庫県の地で水素の拠点施設を検討すると表明されたことで、県への吸引力がこれから高まってくる。大きな一歩で心から歓迎したい」と述べています。