国や兵庫県が主催 神戸市で初の「ドローンサミット」始まる
ドローンの実用化に向けて自治体間の連携を強化しようと、神戸市で、初めて国などが主催する「ドローンサミット」が始まりました。
「ドローンサミット」は、さまざまな場面でのドローンの実用化に向けて、先進的な取り組みを共有するとともに自治体間の連携を促そうと、国と兵庫県の主催で、今回、初めて開かれたものです。
会場となった神戸市の神戸国際展示場には、ドローンなどを活用する自治体や企業などがおよそ70のブースを出展しました。
このうち、兵庫県が実証実験を支援する大阪の旅行会社のブースには、県の斎藤知事が視察に訪れ、50キロ以上離れた南あわじ市にあるドローンをみずから遠隔で操作し、海や山の景色を楽しみました。
また、北海道のブースでは、農家の人手不足の解消につなげようと、ドローンを使って畑から道の駅まで20キログラムの野菜を運ぶ輸送実験が行われていることが紹介されていました。
北海道の黒澤厚さんは「兵庫県などは、ドローンの実証実験を多く行って企業を呼び込んでおり、ぜひまねしたい。北海道の広大なフィールドを実験やトレーニングに使えるとPRしたい」と話していました。
また、県新産業課の木南晴太課長は「一堂に会して情報交換を行うことで、自治体としてよりよい行政サービスにもつなげたい。これまでになかった暮らしを豊かにするツールになると期待している」と話していました。
「ドローンサミット」は2日まで開かれます。
【兵庫県 ドローンの活用目指し様々な実証実験】
兵庫県は面積が大きく、但馬地域などでは森林も多いほか、少子高齢化による人口減少などの課題を抱えていて、物流などさまざまな分野でドローンの活用を積極的に進めてきました。
今年度からは、災害時に被害状況などを確認するためドローンが現場の映像を中継するシステムを導入しています。
また、実用化に向けた取り組みも進めていて、令和元年度から3年間で、企業とも連携しながら、30以上の事業で実証実験を進めてきました。
昨年度は、▼養父市で、ドローンに備え付けたバキュームを使ってスズメバチの巣を取り除く実証実験が行われました。
▼神河町の砥峰高原で、新たな観光需要を生み出そうとススキの風景を70キロ離れた神戸市の会場からドローンを操作して楽しむ実験も行われています。
このほかにも、▼猪名川町で災害で集落が孤立した場合などを想定し、ドローンを使って医薬品などを輸送する実証実験が行われました。
さらに、今年度からは、社会課題の解決に向けて民間企業がドローンを活用した実証実験を行うのを支援する取り組みを始め、8つの事業が採択されています。
このなかでは、▼神戸港をドローンで横断して食べ物や飲み物を配達する実証実験を行い、来年度以降の事業化を目指します。
また、▼人がいる場所で、目視できない状況でもドローンが飛行する際に安全性が確保できるよう、ドローンが落下しそうになった場合に、機体からパラシュートやエアバッグを出す実証実験も行われる予定です。
県としては、こうした実証実験を通じて新たな産業を作り出すとともに行政サービスの向上にもつなげていきたい考えです。