伊丹市 踏切内に点字ブロックを設置

ことし4月、奈良県で目の不自由な女性が踏切内で列車と接触して死亡した事故を受け、伊丹市は安全対策を進めるため市内の踏切に新たに点字ブロックを設置しました。

ことし4月、奈良県内の鉄道の踏切で、目の不自由な女性が列車に接触して死亡する事故が起き、国土交通省は点字ブロックの設置を促すなど交通環境のバリアフリー化を進めるためのガイドラインを改定しました。
これを受け、伊丹市は市道にある12か所の踏切について検討を行い、このうち視覚障害者の利用頻度が高い阪急新伊丹駅の北側の踏切の中に新たに点字ブロックを設置しました。
ブロックは踏切の手前に設置されていたものとつながっていますが横幅が広く、突起の形状もこれまでのものと違うため踏切の中と外を歩いた感触で区別できるようになっていて、22日は市内の視覚障害者団体のメンバーが踏切を訪れ、実際にわたって感触を確認していました。
市によりますと踏切の中に点字ブロックを設置するのは県内で初めてだということで、今後、ほかの踏切での設置も検討していくとしています。
伊丹市視覚障害者協会の高瀬静嗣会長は、「点字ブロックのない踏切では、道路の端の段差を杖で叩いて位置を確認しながら通るため、少しよろけると線路に飛び出してしまい、不安を感じています。きょうは、ブロックを踏み締めながら歩道の安全な場所を歩けたので、このような踏切が増えていってほしいです」と話していました。

【点字ブロック設置の経緯】。
ことし4月、奈良県大和郡山市の踏切で、近くに住む目の不自由な女性が特急列車に接触して死亡しました。
踏切の近くの防犯カメラには、女性が踏切を渡り切る直前に下りてきた遮断機の手前で立ち止まり、その後、踏切内の中央付近に引き返す様子が映っていて、警察は女性が踏切の中で自分の立ち位置が分からなくなってしまい、事故に遭ったとみて調べています。
事故を受け国土交通省は、ことし6月交通環境のバリアフリー化を進めるためのガイドラインを改定しました。
この中で、▼踏切の手前については、▽目の不自由な人などに注意を促す点字ブロックや、▽適切に踏切まで誘導する線状のブロックを設置することを「標準的な整備内容」としています。
さらに、▼踏切内についても、▽立ち位置を認識し、誤って車道や線路にそれずに進むためのブロックを設置し、▽その形状は踏切手前のものとは異なるようにすることを「望ましい整備内容」として盛り込んでいて、国土交通省は、自治体などの道路管理者に通知しました。
ただ、これらの設置は国が指定する主要な箇所以外は「努力義務」にとどまり、歩道がない狭い踏切での設置方法は決まっていないなど、生活に密着した道路にまで広げるには課題もあり、ブロックの設置方法などについて有識者による検討を進めることにしています。
【県内の状況は】。
今回、踏切内への点字ブロックの設置を行った伊丹市の市道は12か所の踏切があり、市は他の11か所にもブロックを設置することを検討していますが、安全面などで難しい場所が多いとしています。
市によりますと歩道がない踏切はどこに点字ブロックを設けるかが難しく、設置した場合、自転車やバイクが突起に引っかかるなどして転倒するおそれもあるということです。
国土交通省のガイドラインでも、このような踏切にどのように点字ブロックを設置するかついては引き続き検討する予定としています。
兵庫県と神戸市によりますと、県内にはおよそ1200か所の踏切があり、今回ブロックが設置された伊丹市の踏切以外には点字ブロックの設置はないとみられるということです。