自転車が絡む死亡事故増加 伊丹市で警察が安全運転呼びかけ

自転車が関係する死亡事故が兵庫県内で増加する中、伊丹市では8日、警察官らが事故が多い交差点などに立ち、自転車に乗る人たちに安全運転を呼びかけました。

県警察本部によりますと、ことし6月までに、自転車を乗車中に交通事故で死亡した人は9人で、去年の同じ時期より7人増えています。
こうしたことから、警察は8日、交通事故が多い伊丹市池尻の交差点に、伊丹市の職員とともに立ち、自転車に乗る人に対し、交差点では安全確認をしてから進入することや歩道では歩行者を優先して車道寄りを走ることなどの交通ルールを呼びかけました。
この交差点は、自転車を含め交通量が多く、去年までの過去5年間に、車と自転車が出会い頭に衝突する事故などが26件発生しているということです。
警察と伊丹市は先月、市内の事故が多い危険な交差点などをまとめた「自転車ハザードマップ」を作成し、市民に配送したほか、ホームページなどで公開しているということです。
地元に住む70代の女性は「スマートフォンを操作しながら歩道を走る自転車が多く、ぶつかりそうになったことがある。大けがにつながるおそれもあり注意してほしいです」と話していました。
伊丹警察署交通課の井本淳係長は「自転車も車と同じ車両という意識を持って、信号や道路標識など交通ルールを守ってほしい」と話していました。

【全国の自転車に絡む摘発の30%は兵庫県】
県警察本部によりますと、去年1年間に、県内で自転車を運転していて、死亡したりけがをしたりした人は4223人に上り、このうちおよそ90%にあたる3865人が信号無視や一時停止をしなかったなどの交通違反が確認されたということです。
ことしに入っても事故が相次いでいて、6月までの半年間に自転車を運転していて死亡した人は去年の同じ時期より7人多い9人で、ほとんどが65歳以上の高齢者でした。
こうした状況を受けて、警察は自転車への取締りに力を入れています。
全国では、去年1年間に2万1906件が摘発されていますが、このうちおよそ30%にあたる6210件が兵庫県で、都道府県の中で最も多くなっています。
警察は、自転車に乗るときは以下の5つのルールを守ってほしいと呼びかけています。
▽自転車は原則として車道を走行すること。
▽車道の左側を通行すること。
▽自転車が走行できる歩道を走る場合は、歩行者を優先して車道寄りを走ること。
▽交差点での一時停止や安全確認などのルールを守ること。
そして、▽13歳未満の子どもにはヘルメットを着用させるよう求めています。

【自転車の悪質な運転者には安全講習が】
悪質な自転車事故を防ぐため、道路交通法が改正され、7年前に始まったのが自転車を運転する人の安全講習制度です。
安全講習制度は、自転車を運転する際に、信号無視や一時不停止など「危険行為」として定められた15の行為をして、3年以内に2回以上、検挙された場合、運転者に義務づけられます。
「危険行為」としては、信号無視や酒酔い運転、一時停止の違反、ブレーキのない自転車の運転など15の違反行為が対象となります。
スマートフォンを操作しながら自転車を運転して事故を起こした場合は、「安全運転の義務違反」にあたる可能性もあります。
こうした「危険行為」を繰り返し、都道府県公安委員会から安全講習の受講を命じられたのに受けなかった場合は、5万円以下の罰金が科されます。
安全講習では、自転車事故の被害者や遺族の体験談が紹介され、実際に起きた自転車事故のドライブレコーダーの映像を見て、事故の悲惨さや運転ルールについて学びます。
また、重大な事故などでは民事上の責任を負うこともあり、平成25年には、神戸市で小学生の自転車にはねられた女性が意識不明となった事故をめぐり、小学生の母親におよそ9500万円の賠償が命じられています。