播磨臨海地域での脱炭素化推進 官民の協議会が姫路市で初会合

工場などが建ち並ぶ港湾地域で、脱炭素化を進めようと、播磨臨海地域で、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指す官民の協議会が設立され、今後、具体的な削減計画を策定することになりました。

県内では、排出される二酸化炭素のおよそ6割を、「産業部門」が占めていて、鉄鋼などの産業の多くが立地する港湾地域の脱炭素化が課題となっています。
こうした中、港湾地域で排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラルポート」を実現しようと、姫路港と東播磨港の一部を含む播磨臨海地域で、近畿地方整備局や兵庫県、県内の企業などが参加する協議会が設立されました。
29日、初めての会合が姫路市で開かれ、初めに兵庫県の斎藤知事が「国際的な脱炭素の流れが加速している。兵庫県でもしっかりやっていかなければならない」とあいさつしました。
続いて、企業の担当者が順番に取り組みを紹介し、このうち、三菱重工業の担当者は、来年度から高砂市で、水素発電の技術の検証を始めることを説明していました。
斎藤知事は、姫路市内の水素ステーションを訪問したあと、記者団に対し、「カーボンニュートラルポートを姫路や播磨地域に根づかせていきたい。大きな一歩になったと思う」と述べました。
協議会は、来年夏ごろまでに会合を4回開き、脱炭素に向けた具体的な計画を策定することにしています。

【港湾地域の協議会は神戸港が先行】
港湾地域で、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラルポート」について、県内では、先行して6月に、神戸港で、近畿地方整備局や神戸市、地元の企業などで作る協議会が設立されています。
神戸港で進めているのは、次世代のエネルギーとなる水素の活用に向けた実証事業です。
神戸市に本社のある大手機械メーカーの「川崎重工業」は世界で初めてとなる液化水素を運ぶ運搬船、「すいそ ふろんてぃあ」を建造しています。
実証事業では、ほかの企業なども参加し、オーストラリアにある「褐炭」と呼ばれる不純物が多く安い石炭から、水素を取り出してマイナス253度に冷やして液化し、船で輸送する実験が重ねられています。
また、水素を燃料にした発電所を設置しようとしています。
このほかにも、神戸空港周辺では、二酸化炭素を吸収する海藻などを増やす「ブルーカーボン」の藻場の活用も進められています。
神戸港の協議会は、今年度中に、「カーボンニュートラルポート」の形成計画を策定する方針です。

【脱炭素化に向け 兵庫県も対策推進計画】
政府が2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目標に掲げる中、兵庫県は、ことし3月、地球温暖化対策推進計画を取りまとめました。
計画では、市民や企業、行政などが一体となって、温室効果ガスを2030年度に、2013年度に比べて48%削減することを目指しています。
政府の目標は、2030年度に、2013年度と比べて46%削減するという目標なので、県の目標はさらに踏み込んだものになっています。
県は、脱炭素社会の実現に向けた具体的な取り組みとして、エネルギーの使用量が一定以上の規模の事業者に温室効果ガスの削減目標を定め、削減に向けた計画書を提出するよう義務づけています。
また、中小企業の対策を促そうと、県内の中小企業が再生可能エネルギーの設備の設置や省エネ設備の更新を行う場合に、補助金を出しています。
ただ、県によりますと、補助金制度を設けた平成30年度から昨年度までの利用は37件にとどまっていて、県の担当者は「脱炭素の流れは理解していても大企業と比べると人員や資金が少なく事業を回すことに手いっぱいなのではないか」と分析しています。
このほか、家庭向けには、省エネや節電につながる方法など、専門知識を持った診断士、「うちエコ診断士」が無料でアドバイスする取り組みなどを進めています。
県によりますと、この制度の利用は、令和元年度は1026件に上りましたが、新型コロナの影響で、令和2年度は845件、昨年度は587件と減っているということで、県の担当者は、これらの制度の利用を積極的に呼びかけたいと話しています。