明石市の歩道橋11人死亡事故21年 遺族らが心境を本に

明石市で、花火大会の見物客11人が死亡した事故から21年となる今月21日を前に、遺族らが現在の心境などをつづった本を出版しました。

「明石歩道橋事故 再発防止を願って」は、平成13年7月21日に明石市の歩道橋で、花火大会の見物客11人が死亡し、およそ250人がけがをした事故を伝えようと制作され、17日、明石市で遺族と弁護士が記者会見しました。
本には、遺族6人が手記を寄せ、このうち、息子を亡くした母親が「今でも当時の映像が流れると体が凍りつき、何もしてあげられなくてごめんと息子にわびる」と現在の心境をつづっています。
また、多くの人が集まった強い圧力で身動きが取れなくなった、当時の歩道橋の状況が記録され、遺族会が原因究明や再発防止を求め、市や国に申し入れを行った取り組みなどがおよそ400ページにまとめられています。
制作の中心となり、9歳の娘と7歳の息子を亡くした明石市の有馬正春さん(63)は「事故で子ども2人の命が奪われ、生活が一変した。本を手に取っていただき、こんな悲しいことがあったと知ってほしい」と話していました。
本は今月21日から発売され、兵庫や大阪の書店のほか、インターネットサイトから購入することができます。