上級生4人に損害賠償求める裁判始まる 剣道部の高校生自殺

3年前、宗像市にある私立高校で当時2年生の男子生徒がいじめ被害を訴える遺書を残して自殺した問題で、遺族が同じ部活の上級生4人に対して損害賠償を求める裁判が始まり、生徒の母親は「裁判の場で上級生たちの行為が社会的に許されないのだと明らかにしてもらいたい」と訴えました。

3年前、宗像市にある東海大学付属福岡高校に通っていた当時2年生の侑大さんが、所属する剣道部内でのいじめ被害などを訴える遺書を残して自殺しました。

訴状などによりますと、侑大さんは高校1年生の時、同じ剣道部の寮にいた上級生4人から粘着テープで体を畳に貼り付けられ、下着を脱がされてわいせつな行為をされるなどのいじめを継続的に受けていたとされ、侑大さんの母親は「自殺に至らしめるほど強い精神的苦痛を与えた」と主張し、4人に損害賠償を求める訴えを福岡地方裁判所に起こしました。

この民事裁判が10日始まり、侑大さんの母親は「裁判の場で上級生たちの行為が社会的に許されないのだと明らかにしてもらい、せめて侑大にしたことの責任を取って欲しいと思います」と意見を述べました。

一方、上級生側は訴えを退けるよう求めました。


10日の裁判には、亡くなった侑大さんの友人なども傍聴に訪れました。

裁判のあとの会見で母親は、傍聴に訪れた人たちへの感謝を述べたうえで「侑大の笑顔、みんなと話して、剣道をやって仲間で集まっている姿を思い浮かべながら意見陳述に臨みました。仲間が大好きな子で『いじめ行為をされてもやっぱり剣道がしたい。剣道ができればいい』と私に言っていました。いじめ行為がなければ違った高校生活があったと思う」と話しました。