九州工業大学とパナソニックHD 人工衛星共同開発し実証実験

北九州市の九州工業大学は大手電機メーカー「パナソニックホールディングス」と共同で、民生用のカメラなどを搭載した人工衛星を開発し、今月から宇宙空間での実証実験を始めました。

九州工業大学と「パナソニックホールディングス」が共同で開発したのは「カーティス」と名付けられた超小型の人工衛星です。

縦横10センチ、高さ30センチの大きさで、宇宙向けに改良を加えていない民生用の車載カメラやリチウムイオン電池などを搭載しているのが特徴です。

今月11日に国際宇宙ステーションから宇宙空間に放出され、およそ1年をかけて宇宙で作動を続けられるかなどを実験します。

パナソニックホールディングスは大学と連携することで、今回初めて人工衛星を開発したということで、一般向けに販売する製品を人工衛星に活用できるか確認し、今後の宇宙産業への参入につなげたいとしています。

パナソニックホールディングスマニュファクチャリングイノベーション本部生産・環境技術研究所森将人部長は「宇宙という成長産業に対してどんなサービスが必要かを想像しながら、次のサービスや事業を検討していきたい」と話していました。

一方、九州工業大学は、これまでさまざまな団体と連携して、超小型の人工衛星の開発を行っていて、2012年に1機目を打ち上げてから今回は28機目となります。

大学では宇宙分野のすそ野の拡大を目指して今後も企業などとの連携を続けることにしています。

九州工業大学で人工衛星の開発に取り組む趙孟佑教授は「いろいろな方に宇宙分野に参入してもらい宇宙業界に多様化をもたらして全体の技術の進歩を図っていきたい」と話していました。