水素燃料電池を使って動く船の運航実証終了 報道関係者に公開

北九州市で水素燃料電池を使って動く船の運航実証が終わり、4日、報道関係者に公開されました。

小倉北区の小倉港で公開された船は、脱炭素社会の実現に向けたプロジェクトの一環で開発された「HANARIA」です。

全長はおよそ30メートル。

水素燃料電池が装備されていて、動力として水素とバイオディーゼル燃料から作り出した電気を使うモードと、水素だけで作り出した電気を使うモードがあります。

水素だけで作り出した電気を動力にするモードは二酸化炭素をまったく出さないのが特徴で、今回の運航実証では響灘でこのモードに切り替えて船の動きを確認したということです。

実証では運航上の問題はなく、今後は洋上風力発電事業の作業船として使われるほか、観光船としても運航されることになっています。

観光船としての利用は、今月10日から主に小倉港と門司港を発着し、関門海峡や工場夜景のクルージングなどに使われるということです。

プロジェクトを進めてきた日本財団の海野光行常務理事は「2050年までに内航海運の二酸化炭素排出量ゼロを目指して、技術開発や機運の醸成を行い、次世代に豊かな海を引き継いでいく施策を進めていきたい」と話していました。