水素などを電力に動く観光船 今月北九州市で運航へ 全国初

脱炭素社会の実現に向けて、水素などから作り出した電力で動く観光船が今月全国で初めて北九州市で運航されるのを前に、関係者が県庁を訪れ服部知事に報告しました。

観光船を運航するのは北九州市門司区に支社を構え海運業界での脱炭素化を目指している「MOTENA−Sea」です。

2日は社長など関係者が県庁を訪れ、水素とバイオディーゼル燃料から作り出した電力で動く観光船「HANARIA」を今月10日から全国で初めて北九州市で運航することを報告しました。

船には発電用に16本の水素タンクが搭載されていて、重油などの化石燃料を使う同じ大きさの船と比べて、温室効果ガスを53%削減できるということです。

船は100人乗りで、主に小倉港と門司港を発着し、関門海峡のナイトクルーズや船内での企業セミナーの開催などに活用される予定です。

服部知事は「水素の需要を拡大する上でも船舶において水素を活用することは大きな取り組みで歓迎したい。県としても水素の供給拠点を増やすなどしていきたい」と話していました。

「MOTENAーSea」の高尾和俊社長は「関門海峡は交通量も多くロマンを感じる特徴的な場所で初就航の場所に選んだ。この観光船を知ってもらうだけでなく、同じような仲間を増やして業界全体で脱炭素化に向けて取り組んでいきたい」と話していました。