木質バイオマス発電で生じる灰 コンクリート材料に有効活用

再生可能エネルギーとして導入が進む木質バイオマス発電で生じる灰の活用法をめぐり、北九州市立大学はコンクリートの材料に加工する技術を開発したと発表しました。
セメントを材料にした場合と比べ、二酸化炭素の排出量を6割削減できるとしています。

これは、北九州市立大学国際環境工学部の高巣幸二教授が記者会見し明らかにしました。

間伐材などを燃料とする木質バイオマス発電は、温室効果ガスの排出量がゼロとみなされることなどから再生可能エネルギーとして導入が進んでいますが、燃焼で生じる灰の活用法が課題となっています。

そこで高巣教授のグループでは、この灰をセメントに代わるコンクリートの材料として利用できないか研究を進めました。

灰をそのまま使うと炭素の働きでコンクリートが固まりにくくなりますが、高巣教授によりますと、灰に灯油とパイン油を混ぜて水槽に投入し、水槽内に小さな泡を発生させると、炭素が泡と結びついて取り除かれ、コンクリートの材料に適した性質に変化したということです。

コンクリートの材料として広く使われているセメントの製造時には、多くの二酸化炭素が排出されますが、この灰を使うと排出量を6割削減できるということです。

高巣教授は「これまで捨てられていた灰を有効活用できるようになる。実用化に向け、灰で作ったコンクリートで建物をつくることにも挑戦したい」と話していました。