元司法書士 20件の相続手続きも預かり金不明 4件で追送検

遺産相続の手続きのために依頼者から預かっていた現金635万円を着服したとして北九州市の元司法書士が逮捕・起訴された事件で、ほかの20件の相続手続きでもおよそ5億円の預かり金が所在不明になっていたことがわかり、警察はこのうち4件分のおよそ1億5700万円について着服の疑いが確認されたとして追送検しました。

北九州市小倉南区の元司法書士、服部忠典被告(50)は、司法書士だった3年前、80代の女性から遺産相続の手続きを依頼され、預かっていた現金およそ635万円を着服したとして業務上横領の罪で逮捕・起訴されました。

警察によりますと、その後の捜査で、元司法書士が担当したほかの20件の相続手続きでも合わせておよそ5億円の預かり金が所在不明になっていたことがわかったということです。

警察はこのうち4件分のおよそ1億5700万円について着服の疑いが確認されたとして、29日までに追送検しました。

調べに対し、元司法書士はいずれも容疑を認め、「FXや暗号資産などへの投資につぎ込んだ」などと供述しているということで、警察は一連の捜査を終結しました。

今回、追送検された事件で元司法書士に預けていた遺産を着服されたという男性は、NHKの取材に対し、「私たちの信頼を悪用し全く許すことができない。しっかりと責任に向き合い、何年かかってでも返済してほしい」とコメントしています。