市民襲撃事件に関与した罪 工藤会の暴力団員に無期懲役 求刑

12年前、北九州市で建設会社の役員が射殺された事件など、特定危険指定暴力団、工藤会が市民を襲撃したとされる5つの事件に関与した罪に問われている54歳の暴力団員の裁判で、検察は「市民が標的となる事件を2度と発生させないためにも、厳罰が必要だ」として無期懲役を求刑しました。

北九州市の特定危険指定暴力団、工藤会の暴力団員、洲崎秀輝被告(54)は平成23年、北九州市小倉北区で建設会社の役員が射殺された事件や平成25年、福岡市博多区で看護師の女性が刃物で切りつけられた事件など5つの事件に関わったとして、殺人の罪などに問われています。

これまでの裁判で被告側は4つの事件について黙秘し、看護師が切りつけられた事件について「関わっていない」と述べて、いずれの事件も無罪を主張しています。

20日、福岡地方裁判所で論告求刑が行われ、検察は「建設会社役員の射殺事件では、実行犯を乗せたバイクの運転手をするなど必要不可欠な役割を果たしていて被告の刑事責任は重い。市民が標的となる事件を2度と発生させないためにも、厳罰をもって臨み、犯行が割に合わないことを知らしめる必要がある」として無期懲役を求刑しました。

次回の裁判は10月19日に開かれ、弁護側の最終弁論などが行われて結審する予定です。