北九州市立若松図書館 指定管理者が本の貸出実績を水増し

「北九州市立若松図書館」の指定管理者として施設の運営を担っている会社が本の貸し出し実績を水増ししていたことがわかり、市が指導を行いました。
会社側はNHKの取材に対し、「貸し出し冊数が伸びず、契約更新がされないのではという焦りがあった」と話しています。

これは26日開かれた北九州市議会の教育文化委員会で報告されたもので、それによりますと、不正を行っていたのは指定管理者として市立若松図書館を運営する「日本施設協会」です。

この会社は去年11月からことし3月にかけて、社員やその家族など39人の図書館カードの情報を使用し、実際には本を貸し出していないのに、貸し出しと返却の処理を繰り返して2万216冊分の貸し出し実績を水増しし、不正に計上していたということです。

情報提供をもとに市が調査を進め、会社側が社長の指示で不正を行っていたことを認めたため、今月21日付けで、再発防止策を講じるよう文書で指導しました。

経済的な損害などは発生していないため、指定の取り消しなどは行わないということです。

NHKの取材に対し日本施設協会の社長は「貸し出し冊数が伸びず、来年度に迫っていた指定管理契約の更新がかなわないのではないかという焦りがあった。指導を真摯に受け止め、外部によるチェック機能を強化するなど再発防止に努めたい」と話しています。