トランスジェンダーの当事者が中学校で講演 北九州
心と体の性が一致しないトランスジェンダーの当事者が北九州市の中学校で講演し、「ジェンダーに関わる悩みを抱えている人に対しては、身近な人が理解し、寄り添ってほしい」と呼びかけました。
若松区の向洋中学校で開かれた講演会には、全校生徒およそ140人が参加しました。
登壇したのは、若松区出身でシンガーソングライターのROSEさん(63歳)です。
ROSEさんは男性として生まれましたが、結婚後の56歳の時、自身の心が女性だと気づき、その後は女性として生活しています。
身につけていたのは、おととしから北九州市立の中学校で制服として採用されている「標準服」。
ROSEさんは、ブレザーとスカートを選びました。
講演の中では、学校の制服や校則について触れ、「人はみんな違って当たり前」と考え、「普通」という枠から外れている人を特別な目で見ないようにしてほしいと語りました。
また、自身がトランスジェンダーだと打ち明けた際に妻が理解してくれた話を挙げて、「ジェンダーに関わる悩みを抱えている人に対しては、身近な人が理解し、寄り添ってほしい」と呼びかけました。
最後に、ROSEさんはありのままでいてもいいという思いを込めた自作の歌を披露しました。
3年生の女子生徒は「自分や友達が同じ状況になるかもしれないので、幅広く受け入れることが大切なんだと思いました」と話していました。
ROSEさんは「いろんな悩みを持つ人がいることを若い時から知ってもらい、支え合えるようになってほしい」と話していました。