松本清張没後30年 台湾とのつながり紹介の企画展 北九州市
北九州市出身で昭和を代表する作家の松本清張が亡くなってことしで30年です。
北九州市の記念館では、これに合わせて130を超える翻訳本が出版されている、台湾とのつながりを紹介する企画展が開かれています。
北九州市出身の作家、松本清張は、台湾でも1980年代以降「清張ブーム」が起こり、130を超える翻訳本が出版されています。
北九州市小倉北区にある松本清張記念館では、没後30年を記念して台湾とのつながりを紹介する企画展を開いていて、およそ150点の資料が展示されています。
このうち、1969年に清張作品として台湾で初めて翻訳されたという「ゼロの焦点」は、現地で出版された本のほか、初公開になるという清張直筆の原稿も紹介されています。
また、代表作の1つ「砂の器」は、1980年代に台湾でも映画が公開されて「清張ブーム」を後押ししたということで、異なる翻訳者による複数の翻訳本が展示されています。
このほか、台湾の推理小説を紹介するコーナーもあり、日本で翻訳・出版された台湾の作家の人気作品などが展示されています。
松本清張記念館の学芸員柳原暁子さんは「台湾のミステリーの歴史的背景には松本清張の存在があったことを知ってもらいたい」と話しています。
この企画展は10月23日まで開かれています。
今回の企画展は松本清張記念館と台湾にある台湾文学館が共同で企画したもので現地でも同じテーマで展示が行われています。
蘇碩斌館長は、松本清張が台湾に与えた影響について「『砂の器』などの作品によって台湾の多く人が推理小説のストーリーに社会の実情を反映させることができることを知った。清張は台湾の社会派の推理小説に極めて重要な影響を与え台湾と日本の間に深いつながりをつくった」などと述べています。