被災した小中学校は別の学校に 「集約授業」を公開 輪島市

輪島市は、被災した小学校や中学校の児童や生徒に市内の別の学校に通ってもらい、集約した形で授業を進めています。
地震から半年となる1日、その様子が公開されました。

このうち輪島市の中心部にある輪島中学校では、地震のあと、市内の6つの小学校が校舎の一部を使って授業を行っています。
輪島市内には小学校と中学校があわせて12校ありますが、地震の前と同じように単独で授業を続けているのは中学校1校だけです。
残りの学校の多くは校舎などに被害を受けたり避難所として使われたりしているため、輪島中学校など被害の少なかった3つの学校に集まっています。
小学生は複数の学校の児童が学年ごとにまとまって授業を受けていて、はじめのうちは緊張した様子も見られましたが、今では打ち解けているということです。
6年生の女子児童は、「元の学校より遠くなったので、早起きが大変です。クラスメートが金沢に引っ越してしまい、少しさみしいけど、新しい友達もできたのでよかったです」と話していました。
学校を訪れた小学1年生の児童の母親は、「たくさんの友だちができて、子どもは楽しそうに通学しています。人数が増えた分目が行き届かないのではないかといった心配はしていません」と話していました。

【輪島市教委 将来的には学校再編も検討】
輪島市の教育委員会は仮設の校舎を建設していて、当面は集約した形の授業を続けていく方針です。
教育委員会は、市の中心部にある小学校のグラウンドにプレハブの仮設校舎を建設していて、輪島中学校に通っている6つの小学校の児童に2学期から移ってもらう方針です。
また、ほかの学校についても、当面は集約した形で授業を続ける予定です。
一方、児童や生徒の数は減っていて、教育委員会によりますと、今年度が始まる時点では1000人ほどになる見込みでしたが、転校する子が相次ぎ、3割以上少なくなったということです。
また、以前から続いている少子高齢化の影響もあり、教育委員会は、将来的な学校の再編についても有識者などによる検討委員会に議論してもらうことにしています。
輪島市教育委員会の小川正教育長は「震災の前から、1つの学年の子どもの数が70人を割り込んでいる。検討委員会には輪島市全体で学校をどのように再編していくか速やかに答申を出してもらうことにしている」と話しています。