中能登町にある国の史跡「雨の宮古墳群」で梅雨にそなえ

石川県中能登町にある国の史跡の古墳群は、能登半島地震で一部の古墳にひび割れの被害が起きていますが、今後の雨で被害が広がるのを防ごうと、古墳をシートで覆うなど対策が強化されました。

中能登町にある国の史跡「雨の宮古墳群」は、およそ1600年前の古墳時代の前期に、能登地方を支配していた豪族の墓とされる古墳など36基が確認されていますが、能登半島地震ではこのうち5基の古墳がひび割れの被害を受け、現在も修復されていません。
中には深さが30センチ、長さが5メートルにもおよぶひびもあって、梅雨の時期が近づく中、19日、町から委託を受けたシルバー人材センターの4人が、古墳のひび割れ部分から雨水が入り込むのを防ぐためのシートをかけて、被害が広がらないように対策を強化していました。
古墳を訪れていた60代の町民の女性は「とても痛々しいです。早く元通りになってほしいです」と話していました。
町の文化財の保護に取り組んでいる中能登町教育委員会の生涯学習課の学芸員、福永徹さんは「文化財としての価値を損なうことないよう、復旧に取り組みたい」と話していました。
中能登町では、今年度中に、有識者などでつくる委員会を立ち上げて、古墳群の復旧方針について検討を始める予定です。