大相撲夏場所千秋楽 大の里が12勝3敗で初優勝

大相撲夏場所は千秋楽、3敗で幕内トップの新小結・大の里は、優勝をかけて関脇・阿炎と対戦しました。

大の里は、両国国技館に応援にかけつけた父親に見守られる中、阿炎と対戦し、立ち合いから相手の攻撃にびくともせず、一気に押し出しで勝ちました。
12勝3敗で、初優勝を決めた大の里は、その後のインタビューで「初場所から幕内での優勝が夢から目標に変わった。優勝する姿を石川県の方に見せられてうれしい」と語りました。
初土俵から7場所目での初優勝は、幕下付け出しの力士として、最も早い記録です。

遠藤は、紫雷と対戦し、上手出し投げで敗れましたが、今場所は12勝3敗と大きく勝ち越しました。
輝は、栃大海と対戦し、突き出しで勝って、11勝4敗に。
今場所は大きく、勝ち越しとなりました。
欧勝海は、木竜皇と対戦し寄り切りで敗れました。
今場所は5勝10敗で負け越しとなりました。

大の里は優勝インタビューで「初場所と春場所で惜しいところまでいったが、優勝できなかった。初場所から幕内での優勝が夢から目標に変わり、その目標を達成できてうれしい」と喜びを語りました。
また、優勝を決めたあと、土俵下で待っているときの心境については「きのう親方からは優勝しても喜ぶなと言われたので、冷静にということを意識していた」と話していました。
また、「去年、夏場所でデビューして1年後に幕内で優勝することは想像していなかったのでうれしい」と率直な思いを述べました。
そして、ことし1月に能登半島地震で被災した地元の石川県に向けては「優勝する姿を石川県の方に見せられてうれしい」と述べ最後に「強いお相撲さんになっていきたい」と力強く話しました。

大相撲夏場所の三賞選考委員会が開かれ、初優勝を果たした新小結・大の里が技能賞と殊勲賞を受賞しました。
夏場所の三賞選考委員会は、26日、東京・両国の国技館で開かれ、初優勝を果たした大の里が技能賞を受賞しました。
大の里は、初日に横綱・照ノ富士を破るなど恵まれた体格を生かして前に出る相撲で12勝3敗の成績を収めました。
技能賞は2場所連続の受賞です。
大の里は優勝の条件を満たしたため、殊勲賞も合わせて受賞しました。
敢闘賞は、新入幕で10勝5敗の成績を収めた欧勝馬が、初めての受賞となりました。

大の里の出身地石川県津幡町では、パブリックビューイングが行われ、大の里の優勝が決まった瞬間、会場は大きな歓声に包まれました。
大の里の出身地、津幡町では、地元の人たちが応援しようと、町役場の町民プラザでパブリックビューイングが行われました。
会場に用意された120席は早い段階で埋まり、役場内に別に設けられた会場と合わせて約400人が集まりました。
大の里の取組を迎えると会場からは声援が上がり、阿炎を倒して優勝が決まった瞬間ほとんどの人が立ち上がって、大きな歓声を上げていました。
津幡町の50代女性は「能登半島地震で石川県が大変な中、優勝を決めてくれて勇気をもらいました。大の里は石川県の誇りです」と話していました。
大の里が小学生時代に通っていた相撲教室に所属している小学6年の男の子は「自分たちの先輩が優勝してくれて誇らしい気持ちです。自分も大の里のような力士になれるよう練習したいです」と話していました。
また、大の里を小学生時代にコーチとして指導していた岩脇進一さんは「まさか自分たちの地域から優勝する力士が出るとは本当に信じられないです。大の里の活躍で子どもたちにも相撲がもっと身近になってくれるとありがたいです」と話していました。

能登半島地震の被災地の輪島市でも喜びの声が聞かれました。
市内で飲食店を営む30代の男性は「県内出身の力士の久しぶりの優勝ということで、とても嬉しいです。被災した私たちに勇気を与えてくれ、前向きな気持ちになります。これからも優勝を重ねて地元を盛り上げてくれる存在になってほしいです」と話していました。
市内に住む80代の女性は「地震で気持ちが暗くなる中で勇気をもらいました。次は横綱を目指して頑張ってほしいです」と話していました