「珠洲焼」の窯元 3回の被害乗り越え再建へ

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市などの伝統工芸品、「珠洲焼」の窯元ではこの2年で3回目となる地震の被害を受けながらも再建の準備を進めています。

「珠洲焼」は黒っぽい落ち着いた色合いが特徴の伝統工芸品で、珠洲市と能登町にあるあわせて20の窯元すべてが地震の被害を受けました。
このうち珠洲市正院町にある珠洲焼作家の篠原敬さんの工房はレンガ造りの窯が大きく崩れ、保管していた花器などの作品も多くが壊れました。
篠原さんはおととし6月に続き去年5月の地震でも被害を受け、壊れた窯を再建した約3か月後に元日の能登半島地震が起きました。
今回の地震のあと、篠原さんは避難先から通いながら片づけを進め、5月末に予定している仮設の工房の建設に向けてがれきの撤去を進めています。
そして年内には窯を再建し、早ければ来年の春ごろに作品作りを再開したいとしています。
篠原さんは、「地震の被害は3回目なので今回は急がずゆっくり構えて進めたい。地震をきっかけに珠洲という名前が全国に知られたので、珠洲焼を初めて目にする人にも手に取ってもらいピンチをチャンスにしたい」と話していました。