被災した能登町の酒造会社が盛岡市の酒造会社の支援受け酒造り

能登半島地震で被災した石川県能登町の酒造会社の社長が、7日、盛岡市を訪れ、東日本大震災の津波で被災した酒造会社の支援を受けながら、能登産の酒米を使って酒造りを行いました。

石川県能登町にある「数馬酒造」の数馬嘉一郎社長が訪れたのは、盛岡市の酒造会社、「赤武酒造」です。
数馬酒造は、ことし1月の能登半島地震で酒蔵の壁が崩れたり津波が流れ込んだりして、酒造りが一時、できなくなり、地元の農家から仕入れた酒米を使い切ることが難しくなりました。
こうしたなか、13年前の東日本大震災で岩手県大槌町にあった蔵が全壊し、2年後、盛岡市で新たな蔵を再建した赤武酒造が、酒米1500キロを預かり、4月下旬から仕込みを行っていました。
7日は、数馬さんが赤武酒造の従業員とともに、蒸した能登産の酒米をほぐして、こうじ菌を育てる作業などを行いました。
作業後、数馬さんが赤武酒造の古舘秀峰社長に酒蔵の復活のために必要なことを尋ねると、古舘さんは「まずは自分自身が笑顔で前向きに取り組み、積極的に周囲を頼って販路を広げていくことが大切です」と答え、数馬さんは真剣にメモをとっていました。
数馬さんは「同じような経験をした古舘さんの話を聞いて勇気をもらいました。おいしい日本酒を届けられるよう頑張っていきたい」と話していました。
古舘さんは「私たちも辛い時期があった。前を向いて進んでいってほしいです」と話していました。
日本酒は、約1か月かけて醸造され、6月中旬に約4000本が出荷されるということです。