輪島市上大沢町 住民たちが避難先から通いながら農作業

能登半島地震で一時、孤立状態となるなど、大きな被害を受けた輪島市の海岸沿いにある地区では、住民たちが避難先から通いながら農作業などにあたっています。

輪島市の海岸沿いにある上大沢町は地震で一時孤立状態となるなど大きな被害を受け、40人あまりの住民がふるさとを離れて避難生活を送っています。
当面は被災した自宅で生活することはできませんが、道路の寸断がようやく解消され、4月から通うことができるようになりました。
住民のひとりの中村和規夫さんは、地区にある集会所で寝泊まりもしながら、農作業を再開しています。
いまも断水が続いていることから山の水を使うなどして工夫しているということで、再びふるさとで暮らせるよう、少しずつ立て直していきたいと考えています。
上大沢町は、冬の厳しい季節風から住宅を守るため、集落の周りを竹で敷き詰めた垣根で囲う「間垣の里」として知られ、国の重要文化的景観に指定されています。
中村さんは「わがままかもしれませんが、生まれ育ったところでこの先も暮らしていきたいという思いがあります。みんなが愛してくれるまちづくりをしていきたいです」と話していました。
ふるさとに通う上大沢町の住民は増えているということで、集会所に集まって一緒に食事を取るなど、交流する機会も多くなってきました。
中村さんは「また絆が生まれていると思います。住民たちが互いに力を合わせて頑張っていくことができればうれしいです」と話していました。